ここ最近は、DVDレコーダーに録り溜めていた『シリーズ 人体 神秘の巨大ネットワーク』を観ています。
このシリーズは、「臓器同士のコミュニケーション」をテーマにプロローグを合わせると全8回あります。
多様なコミュニケーションで私たちの身体の運営がおこなわれているという内容で、「脳←→全身」のコミュニケーションが全てではなく、実は脳を介さず臓器同士も「メッセージ物質」を出し合っているそうです。
リアルなCGや映像を使いながら、しかも平易な言葉で最新の研究を説明してくれるので、
「こんなにわかりやすい授業はないなぁ」
と感心しながら観ています。
本当の授業のようにメモを取りながら観ていたら、ちゃんと頭に入るもんですね。
もう少し頭の中に定着させたいので、ブログにも書くことにしました。
興味がある方は読んでみてください。
今日は「第2集 驚きのパワー!”脂肪と筋肉”が命を守る」の内容をざっくりまとめてみました。
まず、脂肪細胞が出す「メッセージ物質」の働きです。
脂肪細胞が出す「メッセージ物質」の一つが、「レプチン」という食欲を抑える物質。
これが脳へ送られると「満腹を感じる」という仕組みです。
食事をして糖や油が脂肪細胞に入る。
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脂肪細胞が糖と油でいっぱいになる。
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丸々と膨らんだ脂肪細胞の中から、「レプチン」が外に押し出され、血管内に入る。
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「レプチン」は血流に乗って脳へと向かう。
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本能的な欲望を司る視床下部へ。
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血管から滲み出て脳の中に入り、「レプチン」をキャッチする神経細胞とくっつく。
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「エネルギーは十分だから、もう食べなくていいよ」
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このメッセージを受け取り、食欲がおさまる。
この仕組みを知ると、食欲をコントロールしているのは脳だけではないことがわかりますね。
この他にも「血管を作って」や「敵がいるぞ」など、脂肪細胞だけで約600種類のメッセージ物質を持っているそうです。
筋細胞(筋肉の細胞)が出す「メッセージ物質」の一つは、「ミオスタチン」というもの。
「ミオスタチン」のメッセージは、「もう成長するな」です。
なんでこんなメッセージがいるのかというと、筋肉がありすぎると、排水溝から水が流れるようにエネルギーをじゃんじゃん浪費してしまうから。
筋肉が持っているその他のメッセージ物質の働きです。
「ガンの増殖を抑える」
「うつの症状を改善する」
「記憶力が高まる」
身体を動かす(=筋肉を動かす)だけで、こんなに素晴らしい効果があるとは!
これからは毎日、お得感たっぷりでストレッチや散歩をしようと思いました(笑)
次は、「なぜ、人は食べ過ぎてしまうのか?」について。
脂肪細胞から「レプチン」が出ているはずなのに、食欲がおさまらないのはなぜなのか?
脂肪細胞の増加と「レプチン」の増加は比例するというデータがあるのに「なぜ?」
それは、肥満の人の脳の血管の中は「油でいっぱい」だから。
大量の油が邪魔をして「レプチン」が血管の外へ出ていけないので、いくら沢山「レプチン」があっても脳に入って行きにくい。
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なんとか「レプチン」が脳へ入って行けたとしても、「レプチン」をキャッチする神経細胞が鈍くなって、大切なメッセージに反応できなくなっている。
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食欲をコントロールできない。
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メタボリックシンドロームに(涙)
メタボリックシンドロームになると、心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、腎臓病、高血圧などのリスクが高まると言われています。
その理由が、肥満の人の脂肪細胞から異常に放出されている、ある「メッセージ物質」にあるらしい・・・。
これは、ゴーカン・ホタミシュリジル博士の説です。
メタボリックシンドロームの人の体内では、脂肪細胞が内部に油を蓄えてパンパンに膨らんでいる。
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脂肪細胞の中でぶつかり合う油の粒。脂肪細胞はそれらを「外敵」と勘違いして、「警告メッセージ」を全身へ向けて発信!!
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「敵がいるぞ〜!」
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そのメッセージを受け取った免疫細胞が活性化し、戦闘モードに。
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更に免疫細胞は次々と分裂し、自分自身も「敵がいるぞ!」という誤った警告メッセージを全身へと拡散。
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「免疫の暴走」がはじまる。
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血管の壁を通り抜け、あふれた油を発見!「これこそ排除すべき異物だ!」と認識し、次々と油を食べはじめる。
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あまりにも油が大量過ぎて、免疫細胞はパンパンに膨れ上がる。
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ついには・・・破裂!!
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免疫細胞が体内に持っていた攻撃用の有毒物質が周囲に飛び散る。
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こうして、暴走した免疫細胞が身体の様々な場所をいためつけ・・・
心筋梗塞、脳梗塞、糖尿病、腎臓病、高血圧などの病気を引き起こしていく。
この脂肪細胞の「誤った警告メッセージ」による「免疫の暴走」。
これを抑える「メッセージ物質」を、筋肉の細胞が出してくれるというのです。
ベンテ・ペターゼン博士によると、筋肉を動かした時に出る「ILー6」という「メッセージ物質」が、「免疫細胞の暴走」を抑える働きをしてくれるそうです。
運動をすると「ILー6」が筋肉から血液に放出される。
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「ILー6」のメッセージを、暴走している免疫細胞が受け取る。
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「戦うのをやめて」
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免疫細胞の戦闘モードが解除され、警告メッセージも静まっていく。
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免疫細胞の暴走がおさまる。
番組の中では、「ILー6」を注射すると、体内にあった「警告メッセージ物質」が半減したという実験結果が紹介されていました。
以前に「花粉症対策にストレッチ」という記事を書いたのですが、このシリーズを観て、ストレッチが花粉症に効く理由がわかりました。
花粉症も「免疫細胞の過剰な反応」によって起こりますから、ストレッチで筋肉を伸び縮みさせて「ILー6」が放出されれば、免疫細胞の戦闘モードが解かれ、花粉症の症状が軽くなる。
ベンテ・ペターゼン博士が唱える説と同様の仕組みが当てはまりますね。
ちなみに、この「ILー6」は、免疫を活性化する物質でもあるそうです。
山中伸弥教授は「ILー6」のことを、「ボケもツッコミもできる芸人さんのようなもの(笑)」と例えていました。
人間の身体って、不思議でおもしろいですね。
最後に、ベンテ・ペターゼン博士の言葉です。
私たちの身体は、動くことを前提に作られている。
動かずにいれば、筋肉からの大切なメッセージ物質が出なくなり、病気に陥る。
筋肉を動かせば命を守れる