行動の前に
私が大学でボクシングを始めた時の最初の練習は、
鏡の前でただひたすら左ジャブを打つことでした。
(サウスポーの場合は右ジャブです)
ステップイン・アウトしながら、
横に回りながら、ひたすたジャブ、ジャブ。
それからしばらく経ったら、
サンドバッグ、ミット打ち。
これも左だけ。
その後は、同級生同士で左だけのスパーリング。
お互いディフェンスも下手なので、
鼻血がブーブー。
とりあえず、シャドーもサンドバッグもミットもスパーリングも
ただがむしゃらにやっていました。
でも今の自分なら、どういうパンチを打つのかという
イメージをしっかり形づくってから実戦練習をします。
もちろん攻防のイメージも。
その上で、まず右ストレートの練習をします。
なぜなら、左のリードパンチは
右ストレートを当てるための布石だから。
右ストレートをどの距離で、
どの角度で当てるのがいいのか?
それをイメージで探りながら
ゆっくりシャドーボクシングをします。
いきなり速い動きを目指しても、
根底に理論がなければ速いだけのごまかしになるので、
ゆっくりと辻褄が合った動きをできるようになってから、
速度を少しずつ上げていきます。
右ストレートのイメージが定まってきたら、
ステップを組み合わせて、相手との距離や
自分の立ち位置をイメージする。
それができたら、この右ストレートを当てるために
必要な左ジャブは「どんなんかなぁ」と、
想像しながらバリエーションを組み立てていきます。
その次にフックやアッパーをと、
イメージに合わせて付け足していきます。
今なら上手い選手の動画もネットで観られますから、
それを何度も観て参考にするでしょう。
長々とボクシングについて書きましたが、
何を言いたいのかと言うと、何も考えずに
ただ「がむしゃら」にはやらないということです。
これは他のスポーツでも同じですね。
野球なら、ただ何100回も素振りをする人よりも、
ちゃんとボールを打つイメージをつくってから
素振りをする人の方がよく打てるようになります。
陸上でも、体操でも、テニスでも、スケートでも、水泳でも、
イメージしたことを身体が表現してくれます。
私が会社員の時にお世話になっていたジムに、
高山勝成さんが練習に来られていたことがありました。
今から15年ぐらい前のことです。
高山勝成さんは、ミニマム級の元世界チャンピオン。
それもWBC、WBA、IBF、WBOの4団体のチャンピオンです。
私がお会いした時はまだ世界を獲られる前でしたが、
この人のシャドーボクシングは圧巻でした。
見ている私にも対戦相手が見えるような、
とてもとてもリアルなシャドーボクシング。
ここまでイメージできている人だからこそ、
実戦でも強いんだなぁと感心したものです。
そして、実生活もこれと同じです。
行動が先ではなく、
イメージや思考があってからの行動です。
行動する前に良いイメージができたら行動する。
誰かに何かを言う時にも、
良い結果や良い関係が想像できるらなら言ってみる。
これとは逆に、不安定な場所から
「とにかく行動でなんとかしよう!」では、
また不安定な場所へたどり着くことになります。
仕事でも家庭でも人間関係でも、先に良いイメージをすること。
良いイメージをつくること。
スポーツと同じですね。
これが実生活でも大切なことだと思います。
- 2017.08.30 Wednesday
- おもい
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- by 白樺整体院