昨日の日記に関連したことを本から見つけました。
以前にも引用したことがある『
海馬 ー 脳は疲れない』から。
「やる気」を生み出す脳の場所があるんですよ。
側坐核(そくざかく)と言いまして、
脳のほぼ真ん中に左右ひとつずつある。
脳をリンゴだとすると、
ちょうどリンゴの種みたいなちっちゃな脳部位です。
ここの神経細胞が活動すればやる気が出るのです。
ー中略ー
ところが、側坐核の神経細胞はやっかいなことに、
なかなか活動してくれないのです。
どうすれば活動をはじめるかというと、
ある程度の刺激が来た時だけです。
つまり、「刺激が与えられるとさらに活動してくれる」
ということでして・・・やる気がない場合でも
やりはじめるしかない、ということなんですね。
そのかわり、一度やりはじめると、
やっているうちに側坐核が自己興奮してきて、
集中力が高まって気分が乗ってくる。
だから「やる気がないなぁと思っても、
実際にやりはじめてみるしかない」のです。
ー中略ー
掃除をやりはじめるまでは面倒くさいのに、
一度掃除に取りかかればハマってしまって、
気づいたら部屋がすっかりきれいになっていた、
などという経験は誰にでもあると思います。
行動を開始してしまえば、
側坐核がそれなりの行動を取ってくれるから。
ー中略ー
側坐核は海馬と前頭葉に信号を送り、
アセチルコリンという神経伝達物質を送っています。
この物質がやる気を起こします。
アルツハイマー病の患者さんは
このアセチルコリンがすごく減ってしまうんです。
だから生気がないというか、覇気を感じない状態になる。
なるほど。
手っ取り早くやれることから片付けていくと、
どんどんやる気が起きて仕事がはかどるというのは、
こういう脳の機能的な特徴に起因しているわけなんですね。
どうりで、とにかく行動すればやる気が起きてくるわけだ。
逆に「どれからやろう?」と迷ったり考えているだけだと、
側坐核の神経細胞は活動しないから、
「やる気が起きない←→何も行動しない←→うだうだ考える」
という、負のループに陥ってしまうんですね(汗)
考えているだけでは何も起こらない。
まず簡単にやれることから始める。
とにもかくにも行動すること。
そうすれば道が開けてくる。
これは、純然たる脳のしくみなんですね。
強く納得しました。
この後、アセチルコリンのはたらきを
抑えてしまう薬の話がありました。
それは、風邪薬、鼻炎薬、下痢止めの薬など。
テストとか試合とかお芝居の舞台とか結婚式とか、
そういうやる気が必要な時に薬をのむのは、
ちょっと注意が必要ですね。
最後に。
本文とは関係ありませんが、
ゴミ箱のへりで片足で寝るはなさん。
もちろん、やる気ゼロです(笑)